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FIELD REPORT:利尻岳アルパインクライミング&スキー
2014.04.11

FIELD REPORT:利尻岳アルパインクライミング&スキー

日本の最北地である利尻岳は日本のパタゴニアと言われる程厳しい環境であるからこそ素晴らしく美しい景観をそなえている。

二年前に東北稜クライミングや オチウシナイ沢初滑降を行ったが、今回は厳冬期利尻岳西壁中央ルンゼーロウソク岩第1リッジの継続登攀そして山頂からはアフトロマナイ沢の初滑降を成し遂げる事となった。



初日は利尻の西海岸から第一コルで雪洞泊。
そしてようやくガスがあがり姿を現した岩壁へ腰ラッセルで接近する。
しかしその心境はこの思う以上に大きい岩壁、そして傾斜、ランナーが10mに1本なんとかとれただろうか、、、
慎重な動きが要されるⅤ級のクライミングとなった。

3人でトップを入れ替わりながらクライミングは続く。それは時に岩壁、雪壁、雪稜、氷壁、ブッシュ、様々な課題を与えられながら高度を稼ぐ。稼ぐたびに眺める光景に感動。
ほんとうにここは日本なのだろうか、、、



そして遂に私たち3人はそのピークに立った。圧倒的な高度感 そして高揚感を味わいながら。ここまで15pのスキーを担いでのクライミング、4日を要しての登頂となった。

いよいよ最終目標の滑降を前に身体を休めたい。
快適な睡眠のためにも雪洞作成は日々欠かせないものだ。

山頂や滑降ルートは思いのほか風が強く斜面も固い。



最大の緊張感と最大の配慮をしながら美しくなんて滑れない。滑落しないように45°斜面を凌ぎ滑り、傾斜の落ちた雪面でようやく快適な滑降へ。登りは4日もかかったのに下りは1時間。
なんとも味わい深い利尻山行となった。この成功には厳冬期でありながら恵まれた天気、そしてなによりこの仲間がいたからこそ!
感謝感謝ですね。

使用ツール
Gregory denali75
クライミング&スキーの動きに邪魔をせず、頑強なベルト、パッドに支えられ、冬手袋での使い勝手にこのシンプルさがとても役に立つものであった。

島田和昭(1973 03 13)
日本山岳ガイド協会認定 山岳ガイドステージⅡ
独立行政法人 国立登山研修所講師
同志社大学山岳部 高校山岳部コーチ
日本山岳レスキュー協会講師
登山専門店好日山荘 契約ガイド
島田ガイド事務所HP
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/