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創業当初、グレゴリーはカリフォルニア州のサンディエゴに拠点を構えていた。そしてこの時代にバックパックマーケットでは主要なパーツが金属からプラスチックへと変更されていく変化が始まっていた。グレゴリーでも、1stタグ最終年の'82年までの間に細部のパーツを含めて細かくディテールの変更が見られる。デイパックにおいては2種類、デイアンドハーフパックにおいては3種類の仕様の異なる製品の存在が確認されている。当時から見た目のシンプルさにこだわりつつ、細部の縫製にも非常に気を配っていたのであろう。
それゆえ例えば内側の縫い代の先端をテープであらかじめ縫い合わせる事により、生地の解れを防止する手法をいち早く取り入れていたりした。
グレゴリーマウンテンプロダクツの原点と言えるモデルのひとつ。「デザートラスト」と呼ばれるこのカラーリングも1stタグ時代の製品だけに使用された特別な色
プリントタグへの変更が行われた最大の要因には本拠地をサンディエゴから同カリフォルニア州のテメキュラという町へ移した事が挙げられる。右上の写真のタグの様に、初期のプリントタグは薄手キャンバスの様な生地にブラウンでロゴがプリントされている。これ以降のタグにはGREGORYのロゴの表記のみで、1stタグのようなMOUNTAIN PRODUCTS及び本拠地名はタグには記されない。諸説あるが、タグコストの高騰等様々な理由で、次代の茶タグへ移行するまでのスポット的なデザインであったという説が有力だ。また2年という短い期間という事もあり、いまでは謎も多く、プリントタグのスーパーライトシリーズ製品は幻の逸品となっていて、これからも、当時の逸品が発見されるかもしれない。
後にも先にもフロントのスラッシュポケットの上部にタグが付く製品はこのプリントタグのデイパックしか存在しない。1stタグの後期頃からフロント上下に2つずつITW社のFIGURE 8が付くことにより[シングルポケット](アタッチメントバッグ)の取り付けが可能となった
銀文字タグ期に次ぐ長期政権であったのが茶タグ期。用途や使用する環境によって最適なバックパックをユーザーが選択できるよう、それぞれのカテゴリーの製品のボリュームを大幅に増やした時期でもある。'83/'84年の[ランパールーム]を皮切りに'85年には[ツーデイ]、'87年に[テールメイト]、[ラフハウス]等、グレゴリーの屋台骨として後のロングセラーとなる製品が次々とリリースされた。モデルによって使い分けられる、バックパックに取り付け可能なアクセサリー類のバリエーションも格段に増えた。
この頃の大型、中型バッグのラインナップを見ても、グレゴリーの歴史において、次なるステップへの重要な移行期であったことがうかがい知れる。
1stタグ、プリントタグ期よりもひと回りサイズアップ。ここから30年以上ディテールに大きな変更はなく、現在のデイパックの元になっている形である。究極のデイパックここに極まれり。カタログにTEARDROPという表記が掲載されるのもこの頃からだ
新しいサスペンションシステムを独自に開発し大型製品が「カーボンシリーズ」、「アドベンチャーシリーズ」、「テクニカルシリーズ」と大きく3つにカテゴライズされることで、より用途にフォーカスしたモデルの開発に力が注がれたのが、この時期。
ライフスタイルモデルを代表するDAYシリーズ(デイパック、デイアンドハーフなど)のカラーバリエーションも豊富になり、定番カラーを展開しつつも、グレー/パープル、ターコイズ/パープル、エレクトリックブルー/パープル、ブラック/パープルなど、トリムに鮮やかなカラーの入るモデルが多数登場した。このド派手な色同士を組み合わせた独自のカラーリングに、多くのグレゴリーファンが魅了されていった。
'70年代よりグレゴリーを始め様々なバックパックメーカーが好んで取り入れたカラー、「Rust」のデイパック。余談だが、実は紫タグにも前期と後期があって、前期はロゴや文字の縁取りが紫がかった色味をしているのに対し、後期は青みがかっている
黒いベースに手書き風の柔らかい山の稜線と青い文字。グレゴリーのロゴデザインが大きく変更されたのが'93年。この変更を機に紫タグとの差別化を図る「旧タグ」というワードが巷で囁かれるようになる。世はアメカジ全盛の時代、いかにもアメリカらしいタフな作りとシンプルなデザインが受け、若者の間で爆発的にヒットする。
青文字タグ期特有のカラーバリエーションの豊富さで人気は更に広まり、街はデイパック、デイアンドハーフを背負う若者で溢れ、タウンユースにおける絶対的地位を確立した。この一大ムーブメントが後に年齢・性別を問わず幅広い層へと広がってゆく。改めてこのデザインが秀逸なものであることを思い知らされる。
赤青のデイパック。茶タグ・紫タグ・青文字タグ・更には銀文字タグと計4期に渡ってリリースされるが、形は同じなのにタグだけで与える印象を変えてくるロゴの凄さと、いつ見てもそれぞれが古過ぎず、新し過ぎない。こんなブランドはグレゴリーを置いて他にない
最近まで展開していたロゴであり最も長く使用されていることで馴染み深い人も多いだろう。この時期にも新しい柄や独自に製作した柄、また新しい素材を積極的に製品に用いるなど、そのバリエーションの多さは他のタグの時期の商品量とは比べ物にならないくらい多く登場し、リリースされた名作は数えきれない。一方で、デイパックやデイアンドハーフに代表されるように、グレゴリーには創業当初にリリースされた製品の中に、現在も形を変えずに販売されている超ロングセラーの定番モデルがいくつもある。この変化と普遍性。相反する力を持ち合わせていることはグレゴリーの大きな魅力であろう。ブランドを知らない人はいないほどの知名度を持ちながらも、常に時代の先を見据えているのだ。
銀文字期の特徴を、タグで見分けるのならば前期にはロゴのグレゴリーの文字脇にTM表記、後期には®マークが付く。初期と後期ではフォントにもわずかな違いが見て取れる